研究課題
1 家族性片麻痺性偏頭痛2型の患者で同定された、ATP1A2突然変異E700Kを導入したマウスについて、CSDの属性を比較した。変異マウスでは、CSDの拡散速度が大きく電位低下からの回復に長い時間がかかった。CSD誘起の閾値は、メスマウスにおいて低い傾向があった。初回CSDによる局所脳血流の低下には有意差がなかったが、その後の一時的な血流量の増加はオスマウスにおいて、増加していた。CSD後の神経興奮をc-Fos抗体染色で解析したところ、扁桃体において、変異導入マウスにおけるc-Fos発現が有意に高かった。2 イメージングによるCSD誘導時の大脳皮質ニューロンとアストロサイトのCa動態の比較生体内でニューロン及びアストロサイトのCa濃度変化をGFPの蛍光で評価できるマウス(GLT-1)とAtp1a2欠損マウスとを交配した。脳表面にKClを滴下することでCSDを誘導し、ニューロン及びアストロサイトのCa濃度変化をAtp1a2欠損マウスと野生型とで比較観察した。アストロサイトは標識色素(Sulphorodamine 101)を用いて同定し、ニューロンとアストロサイトを別々に評価した。(1)CSD誘導後、Ca濃度の上昇を示したアストロサイト数は、Atp1a2欠損マウスで有意に多かった。ニューロンでは、有意な差は観察されなかった。(2)細胞間Ca濃度変化パターンは全ての細胞間(ニューロン・ニューロン間、ニューロン・アストロサイト間、アストロサイト・アストロサイト間)で、有意な差は観察されなかった。(3)アストロサイト細胞内Ca濃度変化パターンは、Atp1a2欠損マウスにおいて、細胞内領域間で有意に同調性が低かった。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)
Journal of Visualized Experiments
巻: 143 ページ: e59027
10.3791/59027
Genes, Brain and Behavior
巻: 17 ページ: e12435~e12435
10.1111/gbb.12435