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2018 年度 実績報告書

性ホルモンによる乳癌組織内マクロファージの分化制御を探る

研究課題

研究課題/領域番号 16K08645
研究機関東北大学

研究代表者

高木 清司  東北大学, 医学系研究科, 講師 (80595562)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードマクロファージ / アンドロゲン
研究実績の概要

抗体アレイを用い、マクロファージにおいてアンドロゲンによって誘導される液性因子(ケモカイン、サイトカイン)の同定を行った。THP-1をデキサメサゾンで刺激して得られたマクロファージに合成アンドロゲンR1881(10uM)でさらに24時間刺激し、蛋白を抽出して液性因子の発現を検討したところ、Chemokine (C-C motif) ligand 5 (CCL5)、CCL20、CCL22、Macrophage migration inhibitory factor(MIF)の発現が誘導されることを見出した。中でも最も強く誘導されたCCL5に着目し、乳癌培養細胞MCF-7にCCL5リコンビナント蛋白を添加して遊走能を評価したところ、MCF-7の遊走が有意に亢進した。また、乳癌病理標本を用いてCCL5の免疫組織化学を施行したところ、CCL5は乳癌細胞と間質細胞の両方に発現が見られた。マクロファージマーカーであるCD163とCCL5の二重免疫組織化学を行ったところ、共陽性細胞が間質領域に確認され、腫瘍浸潤マクロファージがCCL5を発現することが分かった。予後解析では、間質細胞のCCL5陽性症例は有意に予後不良であることを見出した。CCL5の腫瘍促進の機序をさらに詳細に精査するため、CCL5の受容体のひとつであるC-C chemokine receptor type 5(CCR5)の免疫免疫組織化学を施行したところ、思いがけずCCR5陽性症例は有意に予後良好であることが分かった。また、プラスミドを用いてMCF-7にCCR5を過剰発現させたうえでCCL5を添加して遊走能を評価したが、CCR5の強制発現による遊走能の亢進は確認できなかった。CCL5の受容体にはCCR5の他にCCR1、CCR3が知られており、これらががCCL5の腫瘍促進作用を媒介するものと考えられ、今後の更なる検討が必要である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] OLFM4, LY6D and S100A7 as potent markers for distant metastasis in estrogen receptor‐positive breast carcinoma2018

    • 著者名/発表者名
      Akifumi Mayama Kiyoshi Takagi Hiroyoshi Suzuki Ai Sato Yoshiaki Onodera Yasuhiro Miki Minako Sakurai Takanori Watanabe Kazuhiro Sakamoto Ryuichi Yoshida Takanori Ishida Hironobu Sasano Takashi Suzuki
    • 雑誌名

      Cancer Sci.

      巻: 109 ページ: 3350-3359

    • DOI

      https://doi.org/10.1111/cas.13770

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Relaxin 2/RXFP1 Signaling Induces Cell Invasion via the β-Catenin Pathway in Endometrial Cancer2018

    • 著者名/発表者名
      Misaki Fue, Yasuhiro Miki, Kiyoshi Takagi, Chiaki Hashimoto, Nobuo Yaegashi, Takashi Suzuki, Kiyoshi Ito
    • 雑誌名

      Int. J. Mol. Sci.

      巻: 19 ページ: 2438-2450

    • DOI

      https://doi.org/10.3390/ijms19082438

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 17β-Hydroxysteroid Dehydrogenase Type 2 Expression Is Induced by Androgen Signaling in Endometrial Cancer2018

    • 著者名/発表者名
      Chiaki Hashimoto, Yasuhiro Miki, Sota Tanaka, Kiyoshi Takagi, Misaki Fue, Zhulanqiqige Doe, Bin Li, Nobuo Yaegashi, Takashi Suzuki, Kiyoshi Ito
    • 雑誌名

      Int. J. Mol. Sci.

      巻: 19 ページ: 1139-1152

    • DOI

      https://doi.org/10.3390/ijms19041139

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 乳癌における5α-reductase type 3の発現意義2018

    • 著者名/発表者名
      高木清司、佐藤和、井上直紀、笹野公伸、鈴木貴
    • 学会等名
      第19回ホルモンと癌研究会
  • [学会発表] 子宮内膜癌組織におけるホルモン濃度とKluppel-like factor 5の発現2018

    • 著者名/発表者名
      三木康宏、吉田伶奈、高木清司、鈴木貴、伊藤潔
    • 学会等名
      第19回ホルモンと癌研究会
  • [学会発表] 乳癌におけるCytokeratin 19の発現局在の検討2018

    • 著者名/発表者名
      岩渕 英里奈, 三木 康宏, 金井 綾子, 高木 清司, 鈴木 貴, 石田 孝宣, 笹野 公伸
    • 学会等名
      第59回日本組織細胞化学会総会

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公開日: 2019-12-27  

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