研究課題
子宮頸部胃型腺癌、及びその前駆病変であるlobular endocervical glandular hyperplasiaについて症例の蓄積を進めた。その過程で、秋田大学医学部附属病院で子宮全摘が施行された600以上の症例の病理組織像の見直しを行い、lobular endocervical glandular hyperpasiaの発生頻度が約1%であることを明らかにした。この頻度は想定されているよりも高く、lobular endocervical glandular hyperplasiaが決して稀ではないことを示している。と同時に、多くのlobular endocervical glandular hyperplasiaは良性の経過をたどることが示唆された。従って、lobular endocervical glandular hyperplasiaの中で胃型腺癌へと進展する一群についてより詳細に検討する必要があると考えられた。続いて我々は、子宮頸部胃型腺癌、lobular endocervical glandular hyperplasiaと対照群を対象として、MUC5AC, MUC6, ER, HIK1083といったconventionalなマーカーのみならずCLDN18やCA-IXといった新規マーカーを用いた免疫組織化学を施行した。その結果、CLDN18が胃型腺系病変を診断する際に最も鋭敏なマーカーであることを突き止めた。そして、各病変から抽出したゲノムを用いた網羅的遺伝子解析(がん遺伝子パネル検査や全エクソン解析)を開始している。具体的にはTP53, KRAS, GNAS, STK11といった遺伝子の異常に特に着目して解析を行っている。特にlobular endocervical glandular hyperpasiaを併存している胃型腺癌については、lobular endocervical glandular hyperplasia成分と腺癌成分の違いを明らかにすべく詳細な検討を加えている。
2: おおむね順調に進展している
予定通り網羅的遺伝子解析の段階に入っている。
がん遺伝子パネル検査、全エクソン解析によって子宮頸部胃型病変の悪性化に寄与している遺伝子異常の同定を目指す。
研究遂行の過程で小額の残金が発生し、これに関しては次年度の消耗品購入の一部にあてることとした。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (12件) (うち査読あり 12件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件)
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