研究課題/領域番号 |
16K08654
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 埼玉医科大学 (2018-2019) 独立行政法人国立病院機構(名古屋医療センター臨床研究センター) (2016-2017) |
研究代表者 |
川崎 朋範 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (90456484)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 乳腺 / 神経内分泌癌 / 神経内分泌腫瘍 / 乳癌 / 特殊型 / 人体病理学 / 臨床細胞学 / 免疫組織化学 |
研究成果の概要 |
1)乳腺神経内分泌癌(B-NEC)は、内分泌療法や化学療法の感受性を伴って予後良好とみなされてきたが、非特殊型浸潤癌と比較し、侵攻性の臨床経過を辿ることを示した。 2)B-NECの浸潤前病変として神経内分泌型非浸潤性乳管癌の臨床・病理学的意義、生物学的特性、細胞学的特徴を明らかにした (Best Poster Award of IAC, 2019)。 3)B-NECの発生機構に関し、背景乳腺組織に異型のない神経内分泌細胞が広く分布する神経内分泌細胞過形成の概念を提唱し、前癌病変としての意義を初めて示した。さらに、皮膚の類縁疾患(EMPSGC)においても同病態が発生に関与しうることを初めて報告した。
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自由記述の分野 |
乳腺病理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
B-NECは独特な臨床像、画像所見、病理学的特徴を示す浸潤性乳癌の特殊型であり、発生機構および治療法が近年注目されている。本腫瘍は通常型の乳癌と比較し悪性度がしばしば高く、分子標的薬をはじめ新規治療の確立が求められる。組織発生に関し、癌の異分化と一般に考えられているが、神経内分泌形質の獲得は様々な段階で起こり、さらに多発病変のバックグラウンドとなる神経内分泌細胞過形成、良性乳管内増殖性病変との関連性等、複数のメカニズムが関与する。これはB-NECの自然史を解明する上で重要であり、治療法に一石を投じる可能性がある。浸潤前病変であるNE-DCISは、過小診断されやすいという診断学的意義も有する。
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