研究課題/領域番号 |
16K08659
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
平林 健一 東海大学, 医学部, 講師 (60514388)
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研究分担者 |
川口 義明 東海大学, 医学部, 准教授 (80381482)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 膵臓 / 細胞接着 / Nectin3 / miRNA / 膵癌 / バイオマーカー |
研究実績の概要 |
応募者はこれまで細胞間接着分子のひとつであるNectin3の膵癌での発現について検討を行ってきた。その結果、Nectin3の発現が低下する膵癌は予後不良で高悪性度であることを明らかにし報告した。本研究ではこれまでの研究を発展させ、Nectin3の発現を制御するmicro RNA (miRNA)の発現と機能について検討することを計画した。平成28年度では、Nectin3の発現制御に関わるmiRNAをマイクロアレイにより網羅的に探索し、網羅的解析で探索したmiRNAが実際にNectin3の発現に関与するかどうかを検討した。3つの膵癌細胞株(BxPC3, MiaPaCa2, Panc1)を対象として、siRNA法を用いNectin3の発現をノックダウンした。RT-PCR、western blotによりNectin3のノックダウンを確認後、Nectin3ノックダウン細胞およびコントロール細胞(非Nectin3ノックダウン細胞)よりtotal RNAを抽出し、miRNAマイクロアレイによりNectin3ノックダウン細胞とコントロール細胞のmiRNA発現量を比較した。その結果、コントロール細胞と比較しNectin3ノックダウン細胞では30個のmiRNAで2倍以上の発現亢進がみられた。統計学的解析の結果、その内2個のmiRNAがコントロール細胞よりもNectin3ノックダウン細胞で有意に発現亢進していることを同定した。次に、マイクロアレイ解析で同定したNectin3の発現制御に関連すると考えられるmiRNAをmiRNA mimicとして膵癌細胞株に導入した。miRNA mimicを導入した膵癌細胞ではコントロール細胞と比較しNectin3のタンパク発現が有意に低下することをwestern blotで確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施の前後はあるものの概ね計画通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は同定したmiRNAを対象としたin situ hybridizationや体液中での同定miRNAの発現を検討する予定である。
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