研究課題/領域番号 |
16K08661
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 公益財団法人がん研究会 |
研究代表者 |
河内 洋 公益財団法人がん研究会, 有明病院 病理部, 部長 (20401375)
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研究分担者 |
山本 智理子 公益財団法人がん研究会, がん研究所 病理部, 副部長 (10280629)
小林 真季 公益財団法人がん研究会, がん研究所 病理部, 研究員 (20599972)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 胃癌 / 中分化腺癌 / 病理 / 免疫染色 / EBV / リンパ節転移 |
研究成果の概要 |
中分化腺癌の成分を多く含む腫瘍群のうち(1)複数組織型混在胃癌(混合型)、(2)EBV群、(3)MSI群について以下の結果を得た。 (1)混合型は44.5%を占め、リンパ節転移率は23.5%と他に比して高い傾向にあった。(2)EBV群は7.9%を占め、リンパ節転移率は4.2%で、非EBV群(21.9%)に比して有意に低く、多変量解析でも非EBVは独立したリンパ節転移危険因子となった。特に、脈管侵襲陰性のEBV群に転移は無く、粘膜下層深部浸潤癌であっても局所切除のみで根治する可能性がある。(3)MSI群は7.5%を占め、リンパ節転移陽性率は23.1%であり、非MSI群との間に有意差はなかった。
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自由記述の分野 |
人体病理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
早期胃癌の治療方針を決めるにあたり、高分化、中分化、低分化といった病理組織学的な分化度の判定は現在重要な因子の一つである。ただし、中間的組織像を示す中分化腺癌の判定はしばしば難しく問題となっていた。今回の研究で、中分化腺癌の成分を含む一部の腫瘍群、特にEBV群の場合、分化度の判定を一切行うことなく、脈管侵襲の判定を加えるだけで内視鏡治療の適応が決められる可能性があることがわかった。現在行われている病理組織学的評価に基づく治療方針決定の現状に加え、近年確立されつつある分子分類の要素を臨床応用することが可能でとなれば、個々の患者にとって、より適切な治療方針を選択することに貢献できると期待される。
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