研究課題
基盤研究(C)
IgG4関連疾患 (IgG4-RD)では、健常人と比べ発がんリスクが約3.5倍高いことが報告されており、我々も眼窩領域のIgG4-RDを背景にMALTリンパ腫が発症する可能性について報告してきた。そこでAIDによる発がんの可能性を疑い研究を開始した。その結果、IgG4-RD群では大将軍に比して有意にAIDが高発現していることが明らかとなった。さらにAIDが胚中心外にも過剰発現していることも明らかにした。以上より、IgG4-RDの発がんにAIDが強く関係している可能性が示唆された。
病理学
IgG4関連疾患は全身性に腫瘤や肥厚性病変を形成する炎症性疾患であるが、統計学的に悪性腫瘍を発症する頻度が高いことが統計学的に報告されている。そこでIgG4観点疾患における発がん蛋白について検索した。その結果、IgG4関連疾患においてAIDという発がん関連蛋白が高発現していることが今回の研究で明らかになった。今後は、発がん予防の目的で、このAIDを標的とした治療法への開発の糸口になり得る可能性が示唆された。