研究課題
好中球は自らの核酸と細胞内タンパクの複合体を放出することで外来病原体を捕獲する機序:neutrophil extracellular traps (NETs)を持つ。NETs は強い細胞毒性を有しており敗血症時の血管内皮細胞傷害の一因とされている。急性心筋梗塞においてもNETs が放出され、内皮傷害に関与している可能性がある。これらの傷害が細胞傷害性物質を認識するToll 様受容体(TLR)を介している可能性に着目しコムギ無細胞胚芽系を用いて病態を明らかにすることを目指した。今年度は複数のTLRをコムギ無細胞胚芽系にて作成し、それらが既知のリガンドと会合することを証明した。さらに培養細胞を用いてNETs作成に成功、それらの染色性は剖検心における心筋梗塞巣と同様の染色性であることが証明できた。
2: おおむね順調に進展している
初年度に複数のTLRとその結合タンパクを作成することを目標とし、かつ既知のリガンドに反応することを証明することを目標としていたが、それらは達成できた。さらにNETsを人為的に作成することができたことから、おおむね順調に進展していると考える。
今後は作成したNETsをTLRに負荷しアルファ法を用いてその結合性を検出する。次に結合物質が何であるかを質量分析を用いて明らかにする。ここで明らかにしたリガンドが実際心筋梗塞巣において確認できるか剖検心を用いて証明する。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)
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