研究課題
癌における転写超保存領域T-UCRの意義を明らかにするため、昨年度の前立腺癌におけるUc.160+の解析に引き続き、最終年度である本年度は膀胱癌と腎細胞癌におけるUc.63+とUc.416+Aの意義に関する解析を行った。定量的RT-PCR法による検討ではUc.63+は尿路上皮癌で高発現しており、その発現増加が増殖能を亢進させること、逆に発現低下がアンドロゲン陽性尿路上皮癌細胞株においてシスプラチン感受性を亢進させることを明らかとした。さらに腎細胞癌で高発現するUc.416+Aを発現低下させると増殖能と遊走能が低下し、さらにmiR-153と負の相関を示すことを明らかとするとともにその発現はE-cadherin, vimentin, snailなどを制御し、予後不良な腎細胞癌におけるEMTに深く関わることを明らかとした。研究期間全体を通じて消化管癌や泌尿器系癌におけるUc.416+A、Uc.160+、UC.63+、UC.416+Aなど様々な超保存領域T-UCRの臨床病理学的解析や生物学的機能解析を行い、ドセタキセルやシスプラチンなどの抗がん剤抵抗性を促進する機構やmiR-153やPTENなどの他分子に及ぼす影響、EMTを誘導する機構などを明らかにした。さらに癌関連分子であるclaspinとRCAN2がいずれも増殖能や浸潤能を高めて胃癌の進展を促進することで予後不良因子として働くこと、癌幹細胞マーカーやAKT, ERK1/2のリン酸化に影響を及ぼすこと、などを明らかにした。
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