現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
抗alpha-taxilin抗体は,獨協医科大学細胞生物学講座白瀧ラボで開発されたポリクローナル抗体であり,ホルマリン固定パラフィン包埋切片での免疫染色条件が決定されていなかった.そこで獨協医科大学病院で外科的に切除された大腸癌検体を用いて抗原性回復方法(マイクロウェーブ400W, 95℃, 40分)と抗体濃度(1: 1000)を決定し,さらに内因性コントロールを比較対象にした発現レベルの決定(level 0, 発現なし;level 1, level 1と2の間;level 2, リンパ濾胞胚中心細胞あるいは神経節細胞;level 3, 陰窩底部幹細胞,免疫芽球,リンパ濾胞樹状細胞)を行った. 結腸粘膜では増殖帯は陰窩底部に局在するが,腺腫になると増殖帯は陰窩表層部分に移行する.また癌に進行すると増殖帯は表層から再び下方に下がってくる(大腸発癌のトップダウンセオリー).増殖能はKi-67の陽性細胞数の割合(MIb-1 index)として評価したが,陰窩全体としてMib-1 indexとalpha-taxilin陽性の程度を評価すると,増殖との関連がmaskされてしまうため陰窩を上中下の3等分し,各々についてMib-1 indexとalpha-taxilin発現レベルを評価した. 以上のように実際の症例解析に入る前の条件設定はほぼ完了した.
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