ヒトInversinのAktリン酸化サイトアミノ酸配列Thr-Ser-Thr(864-866)は霊長類などの高等動物には保存されているが、マウスやカエル、ゼブラフィッシュなどの動物群には保存されておらず、Inversinの細胞内局在やWntシグナル阻害活性に関しては全く影響が無かった。したがって、AktによるInversinリン酸化の機能的な保存性は無いと考えられる。またInversinは、転写活性中心の核内構造体へ集積し、ある特定の転写制御活性をもつことが明らかとなった。以上のことから、本研究では、Inversinが新規転写制御因子として機能していることが強く示唆された。
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