新規代謝調節分子WDR6について、その機能を明らかにするため全身性および脳特異的にWDR6を欠損したマウスを作製し、解析を行った。その結果、全身性WDR6欠損マウスは成熟後に皮膚と関節に著しい炎症、脾臓・リンパ節腫大を示し、単球系細胞の増殖など、老化ではなく自己炎症性疾患を強く疑う表現型を示した。カロリー制限(CR)を施すと、これらの病態が抑制された。一方、通常飼育下の脳特異的WDR6欠損マウスでは、全身性欠損マウスで見られた病態は観察されなかったが、CR下ではCRの抗老化効果を減弱させるような結果が得られた。このことは、WDR6が各組織において異なる役割を有していることを示唆している。
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