研究課題
淡明細胞型腎細胞がん104検体・肺腺がん168検体・胃腺がん105検体・肝細胞がん37検体・乳がん97検体・尿路上皮がん46検体・浸潤性膵管がん91検体 (合計646検体)の、Infinium 27Kならびに450Kアレイを用いて取得されたメチロームデータを用いて、胃がんでその他の臓器がんに比して高DNAメチル化状態にある16プローブを抽出した。これらの16プローブのDNAメチル化状態は、いずれも高い感度と特異度をもって胃がんを他の臓器がんから弁別できた。公共データベースTCGAとGEO上の、胃がんならびに自験例に含まれないがん種のメチロームデータを参照し、人種や採取施設に依存せず胃がんの識別能の高いProbe Aに着目した。Infinium解析例から学習群106検体を選び、Probe Aを含む遺伝子領域のDNAメチル化状態をパイロシークエンス法によって精密定量した。受信者動作特性(ROC)解析では曲線下面積(AUC)0.917、感度95.6%、特異度76.3%で胃がんを他の臓器がんから識別できた。Youden法で胃がんを他の臓器がんから識別する閾値を定め、新規症例111検体で検証を行ったところ、感度81.8%、特異度79.5%で胃がんを識別できることが確かめられた。Probe Aはイオンチャネルのサブユニットをコードする遺伝子Aの転写調節部位に位置している。(1)Probe Aは胃がんのみならず非がん胃組織でも高DNAメチル化状態にあること、(2)Probe Aが低メチル化状態の臓器でも遺伝子Aの発現は概して低いことから、Probe Aの高DNAメチル化は、胃の臓器特異的なDNAメチル化プロファイルががんでも保持されたものであり、発がんに機能的に寄与するのではなく、サロゲートマーカーであると考えた。
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すべて 雑誌論文 (14件) (うち査読あり 13件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 4件、 招待講演 1件)
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