Cell adhesion molecule 1 (CADM1)は神経細胞に高発現する接着分子で、神経軸索と髄鞘との接着を司りシナプス形成に必須の分子である。本研究では担癌によって管腔が拡張した大腸癌手術検体の腸管神経系では、腸管の拡張率(腸内圧)上昇によって神経節細胞数および神経線維密度が減少し、CADM1の細胞膜上での酵素的切断が亢進していることを見出した。独自に開発した圧力負荷培養装置を用いて、圧力上昇によってCADM1の切断が亢進し、切断断片が神経線維上に蓄積凝集することによって神経変性を招くことを実験的に証明した。また、切断断片の凝集には特定のアミノ酸配列が関わることも示した。
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