研究課題/領域番号 |
16K08728
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
井上 裕介 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (90304302)
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研究分担者 |
阪口 政清 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (70379840)
柿崎 暁 群馬大学, 大学院医学系研究科, 講師 (80344935)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 非アルコール性脂肪性肝炎 |
研究成果の概要 |
肝臓特異的HNF4α欠損マウス(KOマウス)でのNASH発症におけるPPARαの活性化機構の解明を目的とした。KOマウスでは脂肪酸取り込みに関与するFATP1の発現が顕著に上昇しており、FATP1の転写活性化はPPARα依存的に強く誘導された。また、KOマウスで発現低下するmiRNAを同定し、その標的遺伝子として線維化に関与する遺伝子を同定した。さらに、KOマウス肝臓では数種類の脂肪酸の割合が変動していた。加えて、脂肪酸伸長と不飽和化に関与する複数の遺伝子の発現変動が認められた。以上より、KOマウスでは脂肪酸の質的変化によりPPARαが活性化されてNASHを発症する可能性が示唆された。
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自由記述の分野 |
分子生物学、病態生化学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PPARα活性化はNASHを抑制すると考えられており、PPARαのアゴニストがNASHの治療薬の候補になると考えられている。本研究から、反対にPPARαの活性化がNASH発症に重要であることが分かったため、一部のNASHの治療にはPPARα阻害剤が有効であることが推測される。NASHの原因は不明な点が多く、確立された治療法もないため、より多種類の治療薬の開発が切望されていることから、本研究は従来と異なる機構による新規のNASH治療薬や診断法の開発に有意義である。
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