敗血症は、世界で年間約3千万人が発症し、日本においても30万人程度の患者、10~15万人程度の死亡者が出る。治療法は初期の炎症を薬剤で抑える方法が主流であるが、実際は後期に現れる免疫抑制状態による再感染等により死亡する例が約7割を占める。本計画では、病原体の免疫抑制機構を解析し、これを敗血症の治療に利用することを目的とした。 具体的には、日和見感染菌Candida albicansの表面糖鎖がマウス敗血症の前期炎症に加えて後期免疫抑制状体の解除に働く事を示した。また、複雑な当該糖鎖構造中のa-マンノース構造が生体の免疫抑制性蛋白質IL-10の産生を介して上記の効果を発揮していることを示した。
|