研究課題
本研究の目的は、新規無毛高度免疫不全マウス体内に「ヒトがん微小環境」を構築し、がん微小環境研究に供することを第一の目的とする。そして、がん微小環境を標的とした新規治療法開発を第二の目的とする。胆管細胞癌腫瘍株の移植モデルマウスを用いて、胆管癌細胞株をがん関連線維芽細胞と同時移植すると腫瘍形成が早まることから、胆管細胞癌においてはがん関連線維芽細胞が腫瘍増殖に重要な働きを示すことを見いだした。また、胆管細胞癌の患者腫瘍組織移植モデル(Patient-derived xenografts; PDX)を樹立し、継続的に薬剤Xを経口投与することでその抗腫瘍作用を確認した。また、PDXから5株の胆管細胞癌株の樹立に成功した。原発性滲出性リンパ腫(Primary effusion lymphoma;PEL)では転写因子PU.1がメチル化されており、PU.1の活性化によりPEL細胞はアポ-トーシスに陥ることを証明した。また、他にもメチル化されている転写因子があり、その制御によりPEL細胞はアポ-トーシスに陥ること、メチル化阻害薬の効果に違いがあることなどを示した。現在、デシタビン及びその誘導体の抗腫瘍効果について検討中である。消化管間質腫瘍(Gatrointestinal stromal tumor; GIST)の手術サンプルを高度免疫不全マウス皮下に移植して、患者腫瘍組織移植モデル(Patientderived xenografts; PDX)作成を試みている。これまでに20症例の移植を試みたが、腫瘍増殖は認められなかった. 一方、頭頸部癌ではPDXの樹立が確認できた。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 3件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件)
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