研究課題/領域番号 |
16K08751
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛 |
研究代表者 |
中島 弘幸 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 免疫・微生物学, 助教 (10574064)
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研究分担者 |
関 修司 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 免疫・微生物学, 教授 (80531392)
木下 学 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 免疫・微生物学, 准教授 (70531391)
中島 正裕 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 免疫・微生物学, 助教 (70738103)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | Kupffer細胞 / マクロファージ / 非アルコール性脂肪性肝炎 / LXR |
研究実績の概要 |
Liver X receptor (LXR)はオキシステロールによって発現が亢進する分子であり、コレステロール過剰に適応するために発現すると考えられている。αとβの2つの分画があり、αは主として肝臓に発現されており、βは全身に発現されている。LXRαをノックアウトすると、高コレステロール食摂取により著しい肝臓の脂肪化と炎症反応の亢進を認め、NASHに類似した病変を発症する。そのメカニズムは諸説あるが、今回我々は肝臓内のマクロファージに着目して発症メカニズムを解析した。高コレステロール食摂取は、CD11b陽性分画を増加および活性化することで、LPS等の細菌由来抗原に対して過剰な炎症を反応をきたす。そしてinvariant NKT細胞は逆にその数を減少させ、IL-4といったTh2サイトカインの発現が抑制され、炎症反応をさらに悪化させる。ヒトにおける非アルコール性脂肪性肝炎の発症メカニズムのうちの一つと考えられる。 肝臓における非実質細胞のなかで最大の数をもつ細胞は類洞内皮細胞である。この細胞は免疫細胞ではないが、小さな物質を貪食する機能を有し、ケモカインであるMCP-1を分泌することで炎症性マクロファージを肝臓内に遊走させる機能を発揮することを見出した。さらにこの機能は加齢によって亢進し、高齢マウスにおける過剰な炎症反応の発現のメカニズムの一つと考えられた。機能亢進には細胞内の遊離コレステロールの上昇が重要であり、非アルコール性脂肪性肝炎の発症メカニズムとの関連も示唆される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
肝臓の非実質細胞のなかでもKupffer細胞が最も有名であるが、最大の数をもつのは類洞内皮細胞である。Kupffer細胞がコレステロールの代謝に重要な核内レセプターやトランスポーター遺伝子を発現していることはすでに知られているが、類洞内皮細胞も同様に発現していることを見出した。また、蛍光標識リポプロテインを用いた検討においてKupffer細胞はHDLを類洞内皮細胞は変性LDLを選択的に取り込むことを見出した。コレステロール代謝においてこの2つの細胞群が互いに協調しながら機能を発揮する可能性がある。
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今後の研究の推進方策 |
類洞内皮細胞とKupffer細胞がどのようにコレステロー代謝に関与するかを明らかにするために、LXRノックアウトマウスを用いてリポプロテインの取り込みを評価する。また、高脂肪高コレステロール食摂取時の各種トランスポーター遺伝子の発現を、ノックアウトマウスと正常マウスとで比較する。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)国際学会の発表が事情により中止となったため。 (使用計画)試薬、実験動物の購入にあてる予定である。
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