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2019 年度 実績報告書

E3ユビキチンリガーゼによるインフラマソーム活性制御

研究課題

研究課題/領域番号 16K08772
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

鈴木 志穂  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (80444074)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードインフラマソーム / cIAP / ユビキチン化 / 炎症 / マクロファージ
研究実績の概要

病原細菌が侵入すると、マクロファージが菌体を貪食した後、菌体由来分子を認識してインフラマソームを活性化することで炎症性サイトカインを産生し、感染組織に激しい炎症応答を引き起こす。インフラマソーム活性はどのようにコントロールされているのか、その分子機序は全容解明に至っておらず、本研究ではインフラマソーム活性化とユビキチン化との関係性について着目し、腸粘膜感染性病原細菌の感染時に誘導されるインフラマソーム活性化をコントロールする因子の特定、及びその分子機構を解明にすることを目的として実験を行った。本研究課題にて、GST pulldown法、Y2Hスクリーニング、免疫沈降法を用いて得られた候補タンパク質群をそれぞれsiRNAノックダウン解析することで、インフラマソーム関連因子と相互作用し、且つインフラマソーム活性の強さに影響を及ぼすタンパク質をスクリーニングした。その結果、新規のインフラマソームレギュレーターとして、E3ユビキチンリガーゼであるcellular inhibitor of apoptosis protein 1 および 2 (cIAP1、cIAP2)を特定した (Suzuki et al. EMBO rep.2018)。また、インフラマソームの抑制因子であるGLMN (glomulin)は、cIAP1とcIAP2を標的として結合し、その活性を阻害することによりインフラマソームを抑制していた。次に、caspase-1のユビキチン化がインフラマソームの活性に関与すると既報の研究報告にあったことから、インフラマソーム構成因子(NLRs, ASC, caspase-1)がcIAP1とcIAP2と結合またはユビキチン化を受けるかについて検証し、その結果、cIAPsによるこれらインフラマソーム構成因子のユビキチン化は認められなかった。我々の研究では、インフラマソーム活性化時にcaspase-1がユビキチン化される現象自体確認できなかったため、本説についてはさらなる検証を進める必要がある。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Inflammasome Activation Induced by Perfringolysin O of Clostridium perfringens and Its Involvement in the Progression of Gas Gangrene2019

    • 著者名/発表者名
      Yamamura Kiyonobu、Ashida Hiroshi、Okano Tokuju、Kinoshita-Daitoku Ryo、Suzuki Shiho、Ohtani Kaori、Hamagaki Miwako、Ikeda Tohru、Suzuki Toshihiko
    • 雑誌名

      Frontiers in Microbiology

      巻: 10 ページ: -

    • DOI

      https://doi.org/10.3389/fmicb.2019.02406

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 細菌感染制御 Porphyromonas gingivalisによる炎症誘導機構2019

    • 著者名/発表者名
      岡野徳壽, 芦田浩, 鈴木志穂, 鈴木敏彦
    • 雑誌名

      口腔病学会雑誌

      巻: 86 ページ: 47~47

  • [学会発表] 病原細菌の感染戦略とインフラマソーム -歯学研究における今後の展開-2020

    • 著者名/発表者名
      鈴木志穂
    • 学会等名
      北海道大学大学院歯学研究院 歯学研究セミナー
    • 招待講演
  • [学会発表] 歯周病菌Prevotella intermediaの感染がインフラマソーム活性化に与える影響の解析2020

    • 著者名/発表者名
      鈴木志穂
    • 学会等名
      東京医科歯科大学最先端口腔科学研究推進プロジェクトバランス(口腔免疫)ユニット 若手研究者ワークショップ
  • [学会発表] GLMN-cIAP1/2 axis controls inflammasome activation in response to bacterial infection2019

    • 著者名/発表者名
      鈴木志穂、鈴木敏彦、笹川千尋
    • 学会等名
      第92回日本細菌学会総会
  • [学会発表] Hypoxia induces enhancement of inflammasome activation by P. gingivalis infection2019

    • 著者名/発表者名
      岡野 徳壽, 鈴木 志穂, 庄子 幹郎, 中山 浩次, 鈴木 敏彦
    • 学会等名
      第92回日本細菌学会総会
  • [学会発表] インフラマソーム活性制御因子の探索とその作用機序2019

    • 著者名/発表者名
      鈴木志穂
    • 学会等名
      第10回加藤記念研究助成交流会
    • 招待講演

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公開日: 2021-01-27  

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