研究課題/領域番号 |
16K08783
|
研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
三木 剛志 北里大学, 薬学部, 講師 (40398582)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | RegIIIbeta / 病原体排除 / Bacteroides属細菌 / ビタミン |
研究実績の概要 |
RegIIIbetaの発現に依存した腸内細菌の一つとして、Bacteroides属細菌を同定した。そこで、同定したBacteroides属細菌による病原体排除活性を評価するために、サルモネラ腸炎モデルマウスを使用した。サルモネラが感染したマウスに、Bacteroides属細菌を経胃接種し、腸管から排除されるサルモネラについて、Bacteroides非接種群と比較した。その結果、Bacteroides接種群では、非接種群と比べ、サルモネラの排除活性が有意に上昇した。また、盲腸組織における炎症度を比較した結果、Bacteroides接種群では炎症の回復が認められた。これより、RegIIIbetaの発現に依存したBacteroides属細菌は病原体の腸管からの排除に関与することが示唆された。次に、RegIIIbetaの発現に依存して変化する腸内代謝産物を調べたところ、いくつかの代謝産物候補が同定された。これらの中から、ビタミンに着目し、サルモネラ腸炎モデルマウスを用いて、病原体の排除活性への関与について調べた。その結果、Bacteroides属細菌と同様に、ビタミンの接種によりサルモネラの排除活性が上昇した。腸内ビタミンは、常在する腸内細菌による産生に大きく依存することから、RegIIIbetaの発現に依存したBacteroides属細菌より産生されたビタミンが腸管からの病原体排除を担う可能性が示唆された。今後、Bacteroides属細菌およびビタミンによる病原体の排除メカニズムを明らかにしたい。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の目標である、RegIIIbetaの発現に依存した腸内細菌の同定とその代謝産物を同定することができたため。
|
今後の研究の推進方策 |
Bacteroides属細菌およびビタミンによる病原体の排除メカニズムを明らかにする。
|
次年度使用額が生じた理由 |
試薬および培地などの購入費が、当初の予算を下回ったため。
|
次年度使用額の使用計画 |
翌年度分に繰り越しをし、試薬および培地などの購入費として使用する予定である。
|