壊疽性腸炎の原因であるC型ウエルシュ菌β毒素が、宿主細胞のP2X7受容体に作用して毒性を発現することを世界で初めて見出した。本毒素の病原メカニズムと治療応用への研究基盤を確立した。1) 細胞障害メカニズムの解析:β毒素は、感受性細胞のP2X7受容体に作用後、ATP遊離に関与するパネキシン分子を介して、細胞に障害を与える。2) 腸管に対する作用:マウス回腸ループテストで本毒素は腸管組織の破壊を誘導し、これには、P2X7受容体が関与することを明らかにした。3) 治療薬の開発:β毒素のマウス致死活性と腸管障害作用は、P2X7受容体阻害剤であるBBGの投与で抑制され、治療薬の候補となる。
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