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2018 年度 実施状況報告書

B群レンサ球菌による劇症型感染症の分子基盤

研究課題

研究課題/領域番号 16K08795
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

池辺 忠義  国立感染症研究所, 細菌第一部, 主任研究官 (20333362)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード病原性 / 劇症型溶血性レンサ球菌感染症 / B群レンサ球菌
研究実績の概要

劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)は、患者の約30-50%が死亡する極めて致死率の高い全身性感染症である。B群レンサ球菌によるSTSSは、日本において、その症例数が5年前と比較して10倍以上に増加している。しかしながら、STSSを引き起こすB群レンサ球菌について世界を含めてほとんど研究されていない。B群レンサ球菌によるSTSSにおいて、菌がどのように変化したか調べることを目的とする。前年度の研究結果より、STSS株において特定の遺伝子において変異が確認され、この遺伝子の変異により、分泌タンパク質の増加が確認された。この同定した原因遺伝子について、STSS株においてどれくらいの頻度で変異がみられるか調べるため、STSSを引き起こした様々な血清型のB群レンサ球菌50株について原因遺伝子の塩基配列を決定した結果、50株中13株において変異がみられた。一方、膣由来株においては50株中1株しか変異がみられなかった。この遺伝子の変異株を温度感受性ベクターを用いて作製した。ゲノムワイドな遺伝子発現制御解析に加え、新規の病原性遺伝子を検索するため、膣由来株、膣由来株の原因遺伝子を変異させた株からRNAを抽出し、RNA-seqを行った。その結果、溶血毒素や、ペプチダーゼ、接着因子などの病原因子の発現が上昇していることが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

変異株の作製が遅れたから

今後の研究の推進方策

原因遺伝子の変異によりin vivoで病原性に影響を与えるか調べるため、マウスをもちいた動物実験を行う。

次年度使用額が生じた理由

変異株の作製が遅れ、動物実験を行うところまで実験を進めることができなかったため、次年度使用額が生じた。動物実験に使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Streptococcal toxic shock syndrome caused by β-hemolytic streptococci: clinical features and cytokine and chemokine analyses of 15 cases.2019

    • 著者名/発表者名
      Yoshizawa S, Matsumura T, Ikebe T, Ichibayashi R, Fukui Y, Satoh T, Tsubota T, Honda M, Ishii Y, Tateda K, Ato M.
    • 雑誌名

      J Infect Chemother

      巻: 25 ページ: 355-361

    • DOI

      https://doi.org/10.1016/j.jiac.2019.01.006

    • 査読あり
  • [学会発表] 連鎖球菌感染症の疫学2018

    • 著者名/発表者名
      池辺忠義
    • 学会等名
      第39回日本食品微生物学会学術総会
    • 招待講演

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公開日: 2019-12-27  

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