研究実績の概要 |
本研究に必要な2光子レーザー顕微鏡実験の整備をするために、以下の実験を行った。 野生型マウスにVenusをレポーターにしたインフルエンザウイルスColor-flu(PR8)を感染させた。人工呼吸器による吸入麻酔の下で、生きたマウスにおける肺のインフルエンザウイルス感染細胞を2光子レーザー顕微鏡を用いて観察した。肺は、呼吸運動や心臓の拍動などの影響のため、観察する視野を固定することが難しい。申請者らはこれらの解剖学的な問題を克服するために、顕微鏡デバイス製作企業と連携し、肺を対物レンズに固定するための新たな付属器具の開発・作製を進めた。本研究では、マクロファージや好中球特異的に蛍光を発するレポーターマウスは2光子顕微鏡でマクロファージや好中球を観察するために有用である。マクロファージ特異的にeGFPを発現するレポーターマウス{B6N.Cg-Tg (Csf1r-EGFP)1Hume/J (Macgreen mice), The Jackson Laboratory (Bar Harbour, ME, USA)}を導入し、2光子顕微鏡でマクロファージの観察に成功した。さらに、感染細胞とマクロファージや好中球との相互作用を観察するために、CD11c-Creマウス、CX3CR1-Creマウス、Ly6G-CreマウスとRosa-CAG-tdTomatoマウスを組み合わせたレポーターマウスの作成も開始した。
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