HIV感染に伴うエイズ発症は適切な投薬によりほぼ抑制可能になったものの、これらの治療薬では潜伏感染細胞の排除ができないため、投薬中断によるウイルスの再活性化が問題となっている。しかし、HIV再活性化や潜伏化の詳細なメカニズムは依然不明である。本研究では、HIV転写活性を定量可能なモデル細胞を樹立し、HIV再活性化および潜伏化に関わる分子機構の解明を目指した。その結果、中枢神経系受容体シグナル系がHIV再活性化に関与する可能性を見いだした。またHIV潜伏化に関わる少なくとも2種類の宿主因子を同定した。今後、HIV潜伏・再活性化そのものを標的とした治療法開発が期待される。
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