先天性サイトメガロウイルス(CMV)感染は新生児300人に1人に見られ、感染児の3割程度に神経学的障害等を起すためワクチン開発が求められている。本研究では、内皮・上皮細胞及びマクロファージ指向性を決定する蛋白複合体ペンタマーに着目し、小動物で唯一先天性感染を起すモルモットCMVをモデルとして、ペンタマーの構造と機能、抗ペンタマー抗体による個体レベルでの感染防御を明らかにした。また、ヒトCMVに対する中和抗体を簡便に測定できるレポーター細胞株を樹立し、抗ペンタマー抗体がペンタマー遺伝子の多型に関わらず感染中和能を有すことを示した。従って、ワクチン候補抗原としてペンタマーは有望と考えられる。
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