PI4KB/OSBP経路は、エンテロウイルスの複製に必要と考えられている宿主の経路であり、かつ低い細胞毒性を示す抗エンテロウイルス化合物の標的でもあるため、ウイルス複製における役割の解明が期待されています。今回の研究の中で、世界で初めてPI4KBのアロステリック制御機構を発見し、またPI4KB/OSBP阻害剤に耐性を示すウイルスの複製機構の一端の解明に成功しました。これらは、ウイルスの複製の本質およびウイルスの進化に関する学術的な重要性を持つ知見であるとともに、将来的には抗ウイルス治療におけるウイルスの耐性動態を制御出来る技術の開発にもつながることも期待されます。
|