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2018 年度 実績報告書

TNFシグナル関連分子群に着目したマクロファージの発生分化制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K08828
研究機関信州大学

研究代表者

山条 秀樹  信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (50391967)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードマクロファージ / TAK1 / 遺伝子欠損マウス / パイロプトーシス
研究実績の概要

昨年度までの解析から、TAK1欠損マクロファージはTLRリガンドであるLPSやpoly(I:C)あるいはTNFalpha刺激に伴いCaspase8依存的に細胞死を起こすことが判明し、このため当初アポトーシスによる細胞死であるものと考えられた。そこでこの細胞死誘導機構の詳細についてさらに解析を進めたところ、Caspase8/3のみならずCaspase1も活性化されること、そしてCaspase1の下流で制御されるGasdermin D(GSDMD)のタンパク分解が誘導されることを見出した。GSDMDの分解産物は、近年炎症性細胞死として注目されるパイロプトーシスの直接的誘導因子として機能することが示されてきた。このことからTAK1欠損マクロファージに見られた細胞死は、実はアポトーシスではなくパイロプトーシスによるものであることが判明した。次にTAK1欠損マクロファージにおいてパイロプトーシス誘導に関与する分子を特定するため、TLR下流に位置するTRIF分子に着目し、CRISPR/Cas9によるゲノム編集技術を利用してTRIF欠損背景下マクロファージ特異的TAK1欠損マウスを作成した。TAK1xTRIF二重欠損骨髄マクロファージを用いて解析したところ、LPS及びpoly(I:C)刺激による活性化Caspase8及び1の産生やGSDMDのタンパク分解が全て抑制されること、そして細胞死が完全に抑制されることを見出した。一方で、TNFalpha刺激に伴う細胞死はTAK1欠損マクロファージ同様観察された。これらの結果を総合すると、マクロファージにおいてこれまで知られていなかったTLR/TRIF/Caspase8/Caspase1/GSDMDシグナル伝達経路による炎症性細胞死誘導機構が存在すること、そしてこの経路をTAK1が抑制することで炎症反応を負に制御していることが判明した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] TAK1 inhibits TLR-driven macrophage cell death by blocking a TRIF-dependent pathway2018

    • 著者名/発表者名
      山条秀樹
    • 学会等名
      日本分子生物学会年会

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公開日: 2019-12-27  

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