Tリンパ球は、生涯にわたって強力に生体を防御する一方で、乾癬、リウマチ性関節炎、全身性エリテマトーデス(SLE)、リウマチ性関節炎、自己免疫性甲状腺炎といった、自己免疫疾患の原因となる。体内には自己反応性T細胞の活性化によって起こるが、なぜこれらが健常個体では抑制されているのか、なぜ活性化して自己免疫疾患を起こすのかは、いまだ明らかになっていない疑問である。当研究では、細胞の遺伝子発現制御に関わる核内分子の欠損マウスが、さまざまな免疫疾患を呈することを出発点とし、TRIM28によって自己免疫疾患が抑制されるメカニズムの一端を明らかにした。将来的な治療法の開発に役立つと思われる。
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