我々はこれまで、初期T細胞分化の分子機構の理解を目指し、T細胞分化能の異なる2種類のEbf1欠損pro-B細胞を樹立した。両者の発現プロファイリングの比較から、Lmo2を同定し、Lmo2の過剰発現により、T細胞分化能が回復することを見出した。そこで本研究では、Lmo2のT細胞分化能維持機構について調べた。その結果、①Bcl11aを標的分子として発現誘導に関わり、その下流分子Bcl2の機能を介して、未分化造血細胞におけるNotch刺激耐性を付与すること、②エピジェネティック制御により、Tcf7遺伝子座のNotchシグナル応答性の維持に寄与していることを明らかにした。
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