【研究実績の概要】 本研究では、医学科の学生を対象に、医療プロフェッショナリズム能力の評価法を開発し、プロフェッショナリズムの教育プログラムを提起する。H30年度は、以下の研究を行った。 【医療プロフェッショナリズム能力の項目策定】<データの収集>研究代表者の所属医学部における医学科学生の3年次・4年次のグループ学習、共用試験OSCE、5年次臨床実習、並びに、カリキュラム外の活動の行為・行動の評価結果からデータを収集した。<データの分析>3年次・4年次のグループ学習並びに共用試験OSCEの評価と臨床実習での評価との関連を分析し、以下の4点が浮かび上がった。(1)4年次の共用試験OSCEの不合格者は、翌年以降にOSCEを再受験して合格し、5年次に進級した。5年次臨床実習では、評価は低いものの初年度で合格していた。(2)臨床実習の不合格者は、共用試験OSCEは受験初年度で合格していた。不合格者の不合格要因はプロフェッショナリズムに反する行為であった。不合格者は翌年、臨床実習を再履修し、反プロフェッショナリズム行為は繰り返さず、評価は低いものの合格した。(3)共用試験OSCEの不合格者と臨床実習の不合格者に重複はなく、それぞれの不合格因子は異なることが示唆された。(4)3年次グループ英会話の講師による評価並びに4年次症候学PBLグループ学習のTutorによる評価と5年次臨床実習の指導医による評価を比較した結果、3年次-5年次、4年次ー5年次ともに正の相関を認めた、臨床実習前のグループ学習での評価が臨床実習での評価を予測し得ることが示された。 【プロフェッショナリズム教育のプログラム開発】医学科1年次の早期医療体験実習における教職員による評価、学生によるプログラム評価等から、プログラムを改訂した。また、高学年学生対象のアンケート並びに聞き取り調査を行い、プログラムの有効性を検討した。
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