東北医科薬科大学医学部倫理審査委員会の承認(承認番号:2017-12)を受け、2018年2~3月日本ALS協会患者会員1850名(悉皆)に匿名調査を実施した。有効回答率21.3%。2017年調査28.8%、2016年調査23.1%に比較して、回収率は低下した。平均年齢64.6±11.1(24~88)歳。性別(n=386)男56%、女44%。厚生労働省重症度分類(n=377)は、Ⅰ:2%、Ⅱ:10%、Ⅲ:15%、Ⅳ:8%、Ⅴ:65%。介護認定最重度の要介護5は79.5%(n=248)、障害者手帳所持は91.1%(n=338)で1級が83.8%(n=259)であった。療養場所(n=382)は、自宅:79%、入院:14%、施設:4%、その他:3%であった。人工呼吸器(n=393)については、気管切開下陽圧換気(TPPV)が、48%(1~16年)、非侵襲的陽圧換気(NPPV)が、11%(1~10年)、無しが41%であった。2017年は、TPPV54%、NPPV10%であり、NPPVが微増である。コミュニケーションの状況(n=322)であるが、林らの分類で、Ⅰ:39%、Ⅱ:7%、Ⅲ:14%、Ⅳ:25%、全く意思伝達ができないⅤ(TLS:Totally Locked-in State)は、15%であった。2017年(n=452)は、Ⅰ:36%、Ⅱ:13%、Ⅲ:13%、Ⅳ:24%、Ⅴ:14%であった。ALS協会患者会員に対する悉皆調査の結果、全くコミュニケーションのとれない状態は、2018年15%、2017年14%であった。地域における尊厳ある生活の充実については、コミュニケーション支援と話し合いのツールの整備、話し合いの機会をさらに設けることが喫緊の課題である。京都大学勝手連の研究者と共同で、代理人が家族以外の場合にも応用できる話し合いのツールを策定し、現在もブラッシュアップしている。
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