当研究は、わが国の低迷する子宮がん検診に対する受診行動の変容因子を多角的に解析することを目的としている。未だ日本では導入されていない海外の医療従事者資格“Smear Taker”についての英国現地調査、また新しい子宮がん検診手法についてのニュージーランド現地調査を通して、我が国の低迷する検診受診率の向上に向けた打開策を検討することを目的としている。平成28年度には、英国におけるSmear Takerの教育制度、医療現場での役割、受診率への効果を現地調査した。また平成29年度には、「ニュージーランドにおける新しい子宮がん検診手法“HPV First”の実態調査―日本への応用の可能性を探る―」ことを目的に現地調査を実施した。ニュージーランドでは、新しい検診方法”HPV-First”を開始するため、その動向を様々な視点から調査した。政策面では厚労省、実施面では病院、家庭医、検査センター、教育面では高校を訪問し、各施設の責任者との面談を行った。加えてニュージーランドに在住するアジア女性や弱者に向けた検診啓発活動の工夫についての調査も実施し、多角的な視点からのデータ収集を行った。また 平成30年度は、諸外国の調査結果をもとに、わが国の医療従事者を対象に、”Smear Taker"制度に関する調査活動を行い、データを収集、発表を行った。
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