研究課題/領域番号 |
16K08862
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
山本 緑 千葉大学, 予防医学センター, 助教 (90597121)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 疫学研究 / 出生コホート / 研究倫理 / 協力意識 |
研究実績の概要 |
出生コホート調査の遂行と倫理的課題に関して、エコチル調査千葉ユニットセンター参加者の協力意識および調査への認識を把握するため、引き続き意識調査を実施した。 1)全参加者に対する意識調査 R1年度は4回目アンケートとして、エコチル調査の参加児の家庭5046世帯にアンケートを郵送し(令和元年12月)、R1年度末までに1902件の回答を回収した。4年にわたり継続的に実施したアンケート項目(参加動機と不安、および食事調査の結果返却に対する反応)についての分析はR2年度に行う。R1年度は、H30年度に実施したアンケートからエコチル調査の遺伝子解析に対する参加者の態度とゲノムリテラシー等の関連について分析を行った(1,762件)。その結果、大半の参加者(母親)は遺伝子解析および遺伝子データを他の医学研究でも活用することを有益と認め、解析結果を知りたいという希望を示した。一方、遺伝子解析や遺伝子データ共有に対する否定的あるいは曖昧な態度や、データの取り扱いについて不安は、低学歴等との関連が見られた。これらの結果を踏まえ、遺伝子解析の説明においては知識レベルに配慮した教育的取り組みが必要と考えられた(論文投稿準備中)。 2)詳細調査参加者に対する意識調査 2歳時、4歳時アンケートに引き続き、平成30年度から6歳時アンケートを実施している。回収済みアンケートについては入力を完了しており、これらの結果を取りまとめた全体的な解析をR2年度に行う予定としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ当初の計画どおり、全体調査参加者への4年にわたるアンケート、2歳~6歳時詳細調査参加者へのアンケートを実施し、回収済みアンケートのデータ入力を終了した。これまでに一部データの分析、成果発表を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
1)全参加者意識調査は、H30年度末までに実施した4年分のアンケート結果を取りまとめて分析を行う。 2)詳細調査参加者意識調査は、回収済みの2歳時、4歳時アンケートと実施中の6歳時アンケートの結果を取りまとめて分析を行う。 ただし、6歳時アンケートは、新型コロナウイルス感染症拡大により実施継続が難しくなっているため、中止する可能性がある。 3)参加継続あるいは協力中止等の背景要因について分析を行うため、詳細調査への不参加、全体調査・詳細調査への協力中止の理由について情報収集を継続する。
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次年度使用額が生じた理由 |
アンケート郵送にかかる物品費、人件費、郵送費、およびデータ入力委託費用は、別予算を使用できたため、本年度使用額は予定より少なかった。また、学会参加にかかる費用は、別業務により、予定していた学会に参加できなくなったため、使用しなかった。 次年度は、これまでに収集したデータを解析するために必要な経費と、成果発表にかかる英文校正、雑誌投稿料等に使用する計画である。
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