研究実績の概要 |
環境が子どもの健康に与える影響を解明するためには、出生コホート調査が有用であるが、多岐にわたるデータを長期間収集するため、参加者の参加意欲の維持や、子どものデータ収集にかかわる倫理的問題にどのように対処するか、などの課題がある。本研究では、環境省「子どもの健康と環境に関する全国調査」千葉ユニットセンターの全体調査および詳細調査の参加者(参加児の保護者)を対象としたアンケート調査を経年的に実施し、参加協力に対する意欲、負担感や不安、参加者が求める情報、子ども自身の意志を尊重しつつ調査に協力することについての意識とその変化を調べることを目的とした。R2年度は最終年度の調査および結果の分析と取りまとめを行った。 1)全参加者に対する意識調査 H28年度~R1年度の4年にわたり、出生コホート調査への参加および調査内容についての意識調査を継続的に実施した。R2年度はH30年度に実施したアンケートからエコチル調査の遺伝子解析に対する参加者の態度とゲノムリテラシー等の関連についてR1年度に引き続き分析を行い、論文を公表した(Yamamoto et al. J Hum Genet 2021 Jan 25, ahead of print)。4年間の参加継続に関する意識と参加状況との関わりについて、エコチル調査のデータと合わせて、さらに分析を進める予定である。 2)詳細調査参加者に対する意識調査 エコチル調査詳細調査の参加者を対象として、約R1年度~R2年度にかけて実施した6歳時アンケートの収集を終了した。結果の分析を実施中である。
|