研究課題/領域番号 |
16K08865
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
金子 英司 東京医科歯科大学, 統合教育機構, 准教授 (10302853)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 老年医学教育 / 多職種連携 / 地域包括ケア / 反転授業 / シミュレーション教育 / アンケート調査 / 認知症 / 高齢者 |
研究実績の概要 |
1.多職種連携・地域包括ケアに関するアンケート調査:全国医科大学・医学部の教育担当者に対して多職種連携・地域包括ケアの教育の中に老年医学教育の内容が含まれているかどうかを尋ねるアンケートと、医学生に対して自分が受けた多職種連携・地域包括ケアの教育について尋ねるアンケートを実施するため、アンケート内容について検討中である。また、本学研修医に対しても、出身大学で医学生として受けた教育内容についてアンケート調査を実施するために、その内容を検討している。 2.シミュレーション教材や自主学習用のビデオ教材、反転授業用の教材の作成:本学で開発したSIMTOOLを用いて長谷川式認知機能検査を自習するソフトを開発し、また医療面接実習のビデオ教材を作成して、これらを見て反転授業を行った学生と通常の授業を行った学生での学習到達度を調べる調査を行い、現在、解析を進めている。また、模擬患者の年齢が学生に与える影響等についても調査し、2016年7月の日本医学教育学会と9月の日本シミュレーション医療教育学会で発表した。現在、多職種連携や地域包括ケアに係る老年医学的内容の教材の作成を行っている。また、行動科学に関する教材の作成も行う予定である。 3.老年医学を専門とする講座の存在しない医科大学・医学部への老年病専門医等の派遣:老年医学を教育する担当者のいない大学に、老年病専門医等を派遣して講義や実習にあてる。日本老年医学会には、定年を迎えた元教員や老年病専門医で老年医学教育に熱心な会員も多数在籍しているので、老年医学教育が十分でない医科大学・医学部に老年医学教育を担当する講師を派遣して、教育する方法について具体的方法を検討している。 4.医学生の認知症疑似体験実習の有用性に関する研究について、2016年8月のヨーロッパ医学教育学会(スペイン、バルセロナ)で発表するとともに、シミュレーション教育等に関する情報収集を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1.多職種連携・地域包括ケアに関するアンケート調査に関して、アンケート内容や方法の検討に時間がかかり、まだ実施に至っていないため。 2.シミュレーション教材や自主学習用のビデオ教材、反転授業用の教材の作成については順調に進んでいるため。 3.老年医学を専門とする講座の存在しない医科大学・医学部への老年病専門医等の派遣については、日本老年医学会と相談中で実施に至っていないため。
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今後の研究の推進方策 |
1.アンケート内容およびアンケートの実施方法を確定して、倫理審査委員会の承認を得て、早期にアンケートを実施する。 2.シミュレーション教育の教材開発はこれまでの内容を踏まえて、さらに新しい教材作成を進める。 3.老年医学会との調整を進めて、老年医学を専門とする講座の存在しない医科大学・医学部への老年病専門医等を派遣する計画の早期実現を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
アンケート調査およびシミュレーション教材の作成等について、予定以上に準備に時間がかかり、次年度に作業の多くを持ち越したため。老年医学を専門とする講座の存在しない医科大学・医学部への老年病専門医等の派遣については老年医学会との調整中で実施に至っていないため。
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次年度使用額の使用計画 |
全国医科大学・医学部等に対するアンケート調査を早期に開始するとともに、シミュレーション教材の開発をさら進める。老年医学を専門とする講座の存在しない医科大学・医学部への老年病専門医等の派遣を老年医学会と調整して実施する。
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