研究課題
本研究は,外科系各分野で発展している内視鏡手術に対するアウトカムbasedのトレーニングコースを作成するものである.従来の手術教育法は,アウトカムから必要な技術を分析して作成した方法とではなく,歴史的経緯で成り立っている.さらにわが国では,世界的に縮小傾向の動物ラボの比重がいまだ大きい.この現状に対し,instructional design(ID)の考え方を導入し,各術式が必要とする技術を細分化した構成単位に対するモジュールから再構成した新しい教育システムを作成した.モジュールもIDで改良するが,動物訓練は排除し,最近利用可能になったカダバートレーニングも腹部内視鏡外科手術訓練には最適ではないので,これも除いた.本研究開始前に,各トレーニングコースのアウトカムから必要な技能を抽出し,モジュールの組合せによる術式別の訓練コースと,タスクを縦断したテーマ別コースを構想した.IDで改善させるのは,モジュールの内容と,コースの構成(モジュールの組合せ方法)で,コース構成としては,術式別トレーニングコースの代表として,消化器外科医が最初に修得する腹腔鏡下胆嚢摘出術のコース設計,モジュールの改良としては,最も多くのモジュールに関与し影響が大きいボックス・トレーナの改良を本研究において行った.腹腔鏡下胆嚢摘出術コースは,解剖や術式手順に関しては反転学習とし,セミナー本体は実際の現場の指導者と共にVRシミュレータ実習を行い,指導者のFDも行う構成とした.さらに,数ヶ月後に訓練者が実際の手術ビデオを指導者と共に供覧する構成とし,Kirkpatrickレベル3まで評価しうるコースに改良した.多くのモジュールの中核のボックス・トレーナは,試作作成→改良に時間を要したため,研究機関を1年延長したが,ほぼ最終形が完成し,現在,本研究により作成された新たな手術トレーニングコースに組み込まれている.
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 備考 (1件)
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