研究課題/領域番号 |
16K08870
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
岡山 雅信 神戸大学, 医学研究科, 特命教授 (10285801)
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研究分担者 |
中村 剛史 自治医科大学, 医学部, 講師 (20554554)
竹島 太郎 自治医科大学, 医学部, 講師 (50554565)
森田 喜紀 自治医科大学, 医学部, 研究員 (60627644) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 地域医療マインド / 経年変化 / 医学教育 / キャリア選択 / 地域医療志向 / 地域医療 |
研究実績の概要 |
臨床前の地域医療マインドの変化とその関連項目の解明について、医学生の地域医療への思い、及び将来への思いに関する経年変化を、2014年度に入学した医学生114人を対象に、2年間の追跡調査を行った。調査は、1年生は、地域医療の講義前に、2年生と3年生とは、福祉介護実習前に、自己記入式質問紙を用いて実施した。1年生時の回答者は112人(98.2%)で、2年間追跡出来た者は95人(84.9%)であった。結果は、性別は、男58人(61.1%)、女37人(38.9%)、年齢は19.4±2.0歳(1年生時)、地域医療への思い:「地域医療にやりがいを感じる」(やりがい、VASスコア)は、1年生;66.0±17.7、2年生;62.3±18.1、3年生;55.6±24.3(以下、同順)、「地域医療を担う自信がある」(自信)は、45.3±16.9、45.6±19.5、41.3±41.2であった。「やりがい」は、3年生時は、1年生(paired t test, p<0.001)、及び2年生(p=0.005)に比べて、有意に低下した。「自信」は、3年生のスコアは低いが、有意な変化は認めなかった。将来への思い:「専門医になりたい」「総合医になりたい」「都市部で働きたい」「へき地で働きたい」については、3年間でスコアの変化は認めなかった。「やりがい」について、1年生と2年生の間(r=0.349, p<0.001)、1年生と3年生の間(r=0.340, p<0.001)、2年生と3年生の間(r=0.482, p<0.001)に相関を認めた。特に、2年生と3年生との間に独立した相関を認めた(β=0.553, p<0.001)。これらのことから、地域医療志向は、経年的には低下するものの、1年生時の地域医療教育の充実の重要性が示唆される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
臨床前の地域医療マインドの変化とその関連項目の解明について、地域医療志向に関する経年変化を追跡するためのデータベースが完成した。現時点で、2014年度、2015年度、2016年度入学者のデータを入手し、追跡できる環境を整備した。地域医療マイントの長期的な影響の解明についても、登録者名簿の作成および追跡内容の検討を進めている。また、地域医療マイント形成に係るインタビュー調査(構造化面接)についても、フォーカスグループを用いたトライアルを実施した。
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今後の研究の推進方策 |
臨床前の地域医療マイントの変化とその関連項目の解明については、同様に追跡調査を行う。地域医療マイントの長期的な影響の解明については、調査実施に向けて具体的な調査日程を決め、追跡調査を実施する。地域医療マイント形成に係るインタビュー調査(構造化面接)については、トライアルの結果を踏まえて、地域枠学生を中心に調査を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
現地での聞き取り調査などが不十分であったため、また、追跡調査の制度を高めるために、調査実施年度を調整したため。
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次年度使用額の使用計画 |
構造化面接による調査を十分に実施し、また、追跡調査の実施内容の充実を図り、予算を適切に執行する予定である。
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