研究課題/領域番号 |
16K08877
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
石川 和信 国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (80222959)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | シミュレーション教育 / 医学教育 |
研究実績の概要 |
シミュレーション医学教育の特性を理解したインストラクターや管理者の存在がシミュレーション教育施設の有効活用に繋がっているというこれまでの研究結果を踏まえて、全国医学部のシミュレーション教育担当者の研修支援ニーズを調査している。OJTで経験困難な臨床手技をシミュレーション教育で補完する学習環境を全国の医学生が享受できるように、シミュレーション医学教育の推進および阻害要因に関する調査を実施中である。 研究初年度は、全国のシミュレーション医学教育担当者に対して、自己研修の状況と支援ニーズ、および、自らのシミュレーション施設活用に関わる推進および阻害要因についてのアンケート調査を作成し、本研究実施に関する倫理審査を通過した。 アウトカム基盤型医学教育の世界的な流れを受けて、医学生や研修医には、単なる知識の獲得ではなく、目前の問題点を適切に把握し、緊急性の判断や多様な職能からなる医療チームでのリーダーとしての能力が求められるようになっており、講義室での座学を主とする授業から専門職としての知識、技能、態度を総合的に教育トレーニングできる教育リソースの整備が必要である。平成26年度に実施した全国調査では、97%の大学が、臨床シミュレーション教育施設を保有していたが、シミュレーション医学教育の実践状況には、未だに大学間で大きな格差が生じていることが確認された。世界標準に合わせた医学教育の質保証の観点からの医学教育認証制度への対応から施設の拡充や医学生の利用者は全体に増加しているもののシミュレーション教育の理念を理解して教育活用している診療科数が少ないことや模擬患者参加型教育は未だにカリキュラム導入に至っていないことなどが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者が平成28年度に所属大学を異動したため、研究体制と研究環境の整備や新たに倫理委員会申請を行う必要があったため。
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今後の研究の推進方策 |
シミュレーション教育担当者の自己研修状況と支援ニーズに関する調査、および、シミュレーション教育の推進および阻害要因に関する調査に関するアンケート用紙を作成した。紙面アンケートと聞き取り調査(訪問、電話など)を併用しながら、我が国の医学部におけるシミュレーション教育の問題点を把握する。 この結果を踏まえて、シミュレーション教育実践に有用な教材を開発し、セミナーの開催、個別訪問・受け入れ支援を行う。多様な教育ニーズや個別的な問題点に対応するシミュレーション教育支援ネットワークを構築し、次段階の研究に展開させる。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者が所属大学を異動したため、初年度に予定していた研究計画の実施が遅れているため。
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次年度使用額の使用計画 |
初年度に計画していた訪問調査等を今年度に実施して研究計画の推進をはかる。
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