研究課題
シミュレーション医学教育の特性を理解したインストラクターや管理者の存在がシミュレーション教育施設の有効活用に繋がっているというこれまでの研究結果を踏まえて、全国医学部のシミュレーション教育担当者の研修支援ニーズを調査している。臨床実習(on the job training)で経験困難な臨床手技をシミュレーション教育で補完する学習環境を全国の医学生が享受できるように、シミュレーション医学教育の推進および阻害要因に関する調査を実施中である。本邦では、シミュレーション教育施設の常駐管理者やシミュレーション教育を専門とする教員の有無により、10~20倍の利用の格差が発生しており、その背景は各大学で種々の要因が確認されている。シミュレーション臨床教育を担当している教職員がシミュレーション教育についての研修を受ける機会は限定的で、要求される能力について検証する客観的な仕組みが乏しいことが明らかになった。学習者のレベルに応じた実習指導に加えてフィードバックやデブリーフィングのスキル、学習者の心理を把握しながら臨床意思決定(clinical decision making)の背景にある根拠を聞き出すコミュニケーションスキルが要求されるが、これらのインストラクターとしての役割についての研修(faculty or staff development)が、担当者の自助努力に依存している状況が明らかになりつつある。
3: やや遅れている
研究代表者が平成28年度に所属大学を異動したため、研究体制と研究環境の整備を新たに行ったため。
本研究に関する倫理委員会申請が完了したので、本格的なニーズ調査を実施中である。現在のシミュレーション教育の問題点を把握した上で、シミュレーション教育実践に有用な教材を開発し、セミナーの開催、個別訪問・受け入れ支援を計画している。多様な教育ニーズや個別的な問題点に対応するシミュレーション教育支援ネットワークを構築し、次段階の研究に展開させる。
研究初年度に研究代表者が所属大学を異動したため、予定していた研究計画の実施が遅れているため。予定している調査を精力的に推進することにより、研究目標を達成する。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 5件、 招待講演 3件)
Intern Med
巻: 56 ページ: 1507-1513
日本シミュレーション医療教育学会雑誌
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