研究課題
今までの女性医師支援は支援側から手を差し伸べたが、今後は女性医師が自分の得意技能を生かして自身のエンプロイアビリティを高め、雇用される能力が問われる時代になることが予想される。そのためには女性医師は継続就労するだけでなく、キャリア形成し、リーダーシップを発揮して活躍できなくてはならないと考える。今年度は、【3】継続就労対策調査、【4】 女性のリーダーシップ、キャリアパスに関する大学、企業、医学界の行う教育講座、講習会、研修の調査、【5】女性医師の継続就労アンケート調査を計画した。就労構造基本調査の個票データの分析に加えて、新たに厚生労働省「医師・歯科医師・薬剤師調査」の医師部分(医師調査)の個票データ(調査票情報)に関し政府統計の利用申請(統計法第33条に基づく申出)を行いデータを得て、現在、データの分析を進めている。女性医師が継続就労するとき、仕事とプライベートのストレスが影響する。そこで、日本外科学会の子育て中の会員を対象に「働くドクターストレス調査」を行ったところ、ストレス値と経験率の両方が高いのは「時間」に関する項目であった。働き方改革は必要であることが示唆された。調査結果を分析していて、日本では女性医師は継続就労しにくいが、仕事だけでなく、生活面でも一致するロールモデルを見つけることは困難であり、自分の目指すロールモデルであっても、自分に当てはまる訳ではない。そこで、ネットワークを作り、アンテナを高くし、システマティックにメンターを探すのが日本では適切であると思われた。
2: おおむね順調に進展している
日本外科学会の子育て中の会員のストレス調査を行うことができ、「働くドクターのストレス調査」として学会発表するところまでまとめることができた。
得られた結果による具体的施策の導出・成果のとりまとめ:ここまでの分析によって得られた結果を学術論文等の形でまとめながら、その知見を実際に社会的に還元するために具体的な、女性医師が継続就労し、エンプロイアビリティを持ってリーダーシップを発揮するための施策を見出し、提言にまとめる予定である。
【理由】データ解析に時間がかかり、論文執筆が進まなかった。そのため、論文投稿にかかる費用を次年度に使用することになった。【使用計画】論文投稿に必要な英文校正代、カラー印刷代、などに使用予定である。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)
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