研究課題
今までの女性医師支援は支援側から手を差し伸べたが、今後は女性医師が自分の得意技能を生かして自身のエンプロイアビリティを高め、雇用される能力が問われる時代になることが予想される。そのためには女性医師は継続就労するだけでなく、キャリア形成し、リーダーシップを発揮して活躍できなくてはならないと考える。今年度は、【5】女性医師への継続就労アンケート調査、【6】リーダーシップポジションにある女性医師へのアンケート調査、【7】得られた結果による具体的施策の成果のとりまとめを計画した。前年度から、厚生労働省「医師・歯科医師 ・薬剤師調査」の医師部分(医師調査)個票データ(調査票情報)の、データを得て、分析を進めた。その成果を米国外科学会(American College of Surgeons, Clinical Congress 2018、マサチューセッツ州ボストン)で報告した。女性医師が継続就労するとき、仕事とプライベートのストレスが影響する。そこで、日本外科学会の子育て中の男女会員を対象に「働くドクターストレス調査を行ったところ、ストレス値と経験率の両方が高いのは「時間」に関する項目であった。働き方改革は必要であることが示唆された。日本では女性医師は継続就労しにくい。メンター、ロールモデル、スポンサーの役割が大きい。仕事だけでなく生活面でも一致するロールモデルを見つけることは困難であり、自分の目指すロールモデルであっても、自分に当てはまる訳ではない。日本ではremote role modelingが有用であることが考えられた。
2: おおむね順調に進展している
日本外科学会の子育て中の会員のストレス調査結果を「働くドクターのストレス調査」として2018年4月の日本外科学会定期学術集会にて報告した。現在、論文執筆中である。三師調査の個票調査から日本での外科の選択率と定着率を男女別に分析した結果を米国外科学会にて報告した。現在、論文を国際語で執筆中である。
得られた結果による具体的施策の導出・成果のとりまとめとして、ここまでの分析により得られた結果を学術論文、等の形でまとめながら、その知見を実際に社会的に還元するために必要な、具体的な施策を学会などで発信する。女性医師が継続就労し、エンプ口イアビリティを持ち、リーダーシップを発揮するためには女性医師および支援する人の意識改革、環境整備、働き方改革に関する教育も欠かせない。
【理由】データ解析、引用文献の収集に時間がかかり、論文執筆が速やかに進まなかった。そのため、論文投稿にかかる費用を次年度に使用することになった。【使用計画】諭文投稿に必要な英文校正代、カラー印刷代、などに使用予定である。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件)
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