研究課題
我が国では医師不足と医療崩壊が深刻化しており、特に外科を選択する研修医減り、また、中堅の、大学病院では手術の術者を多数こなし、当直をし、研修医を指導し、地域の医療を支えている外科医が減っている。そのため、現有資格者である女性医師の社会活用を促すことが急務とされている。多くの女性医師支援策が提案され、環境は整いつつあるが、まだ十分とはいえない。また、女性医師が自分の得意技能を生かして自身のエンプロイアビリティを高め、雇用される能力が問われる時代になることが期待される。そのためにはキャリア形成するためのデザインが欠かせない。本研究課題では、外科医の減少が著しいため、「医師・歯科医師・薬剤師調査」の個票データを用いて外科のキャリア初期における選択率とその後の定着率の分析を行い、新臨床研修制度による影響を調査した。選択率は女性医師では上がっていたが、全体と男性医師では下がっていた。定着率は、男性医師では徐々に低下していたが、女性医師では低下した後、上昇していた。また、妊娠・出産・子育てを経てから再度臨床に復帰する女性外科医が多数認められた。今までほとんど指摘されなかったが、女性医師は継続就労するだけでなくキャリア形成が途中で切れないようにする方策が必要であることが示唆された。キャリア形成には、専門医の取得ばかりでなく更新が欠かせない。妊娠・出産を経た女性外科医が専門医を更新しにくいことを調査する必要性が示唆された。今後、出産を経て離職することなく、仕事と子育てを両立しながら認定医・専門医を取得し、専門医を更新し、またリーダーシップを発揮し、女性医師の指導者として活躍できるように教育環境を整え、社会に働きかけるよう務めたい。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 2件)
東京女子医科大学雑誌
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Surgery Today
巻: 00 ページ: in press
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