現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
都道府県別に疾病別社会的負担(Cost of illness; COI)を算出するためのデータセットの整備と前年度研究で構築した算出ロジックの検証をすすめた。直接費用の推計には社会医療診療行為別調査、医療費の地域差分析等、罹病費用の推計には患者調査、労働力調査等、死亡費用の推計には賃金構造基本統計調査等を用いた。都道府県別の値か得られない場合は、全国値を元に算出した。例えば都道府県別医療費は医療費の地域差分析から得た係数を全国値に乗じて求めた。 2014年における一人あたりのCOIは、胃がん7,434±1,296円、大腸がん9,592±1,697円、肺がん10,005±1,844円、脳血管疾患28,540±5,365円、虚血性心疾患11,439±3,048円、糖尿病10,375±1,791円、精神及び行動の障害28,288±7,928円であった。COIの構成要素別に変動係数をみると、直接費用では肺がん(0.47)、虚血性心疾患(0.42)の順に高かった。罹病費用でも肺がん(0.42)、虚血性心疾患(0.38)の順であった。死亡費用では虚血性心疾患(0.34)、精神及び行動の障害(0.27)、糖尿病(0.26)の順であった。都道府県別の平均在院日数、外来患者数の変動係数をみると、平均在院日数では肺がん(0.78)、外来患者数では胃がん、大腸がんで高かった(それぞれ0.41、0.40)。
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