既存のRT-PCR法は、試料中のDNAを抽出・精製する操作に再現性の問題があり、改善の余地があった。申請者は水溶紙を用いて唾液を浸漬乾燥後、その小片を直接PCR溶液に添加して遺伝子解析する方法を確立した。この方法は迅速、簡易、高精度、高再現性の遺伝子解析方法である。このサンプル処理法を用いて、TaqManプローブ法による一塩基多型並びにコピー数多型解析法を開発した。この方法は唾液を用いるため、低侵襲で、乾燥後の検体は室温保存が可能なうえ、通常郵便での郵送も可能である。その有効性を検証するため学生206名のアルコール体質遺伝子解析を実施し、その結果は学術誌に報告した。
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