研究課題/領域番号 |
16K08896
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研究機関 | 兵庫医療大学 |
研究代表者 |
常見 幸 兵庫医療大学, 共通教育センター, 講師 (80425123)
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研究分担者 |
末廣 謙 兵庫医療大学, 共通教育センター, 教授 (50154430) [辞退]
紀平 知樹 兵庫医療大学, 共通教育センター, 教授 (70346154)
成瀬 均 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (00208092)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | IPE / チーム医療教育 / TBL / チーム基盤型学習 / 多職種連携 / コンピテンシー |
研究実績の概要 |
H28年度と同様、H29年度も本学で学部混成の協同学習を行っているすべての学年(1年次、2年次、4年次)に対してTBL (チーム基盤型学習)を導入した。どの学年においても、多職種連携のコンピテンシーを評価する自己評価尺度や独自項目、自由記載によるアンケート調査を行い、学年や学部による比較・分析や先行研究との比較などを行った。 1.1年次では「早期臨床体験実習」という科目において、病院実習の他、兵庫医療大学全学部(薬学部、看護学部、リハビリテーション学部(理学療法学科、作業療法学科))に同法人内の兵庫医科大学医学部を加えた1年次生全員で協同学習を行っており、4学部5学科混成のグループ(計80グループ)でTBLを実施した。授業前に資料を配布して各自で予習を行わせ、授業の最初に確認試験(個人試験(IRAT)、チーム試験(TRAT))を行った。その後に事例シナリオを配布し、事例における問題解決についてグループ内で議論を行わせ、発表会にてグループで発表させた。 2.2年次では「チーム医療概論」という科目において、本学の3学部4学科混成のグループ(計60グループ)でTBLを実施した。TBLの進行は1年次とほぼ同様に、予習、確認試験、グループ討議、発表会を実施した。一人ひとりがより責任感をもって討議に参加できるよう、H28年度とは少し実施方法を変更し、発表会前にジグソー法の要素を取り入れた。 3.4年次では「チーム医療論演習」という科目において、4学部5学科混成のグループ(計64グループ)でTBL形式で協同学習を実施した。臨床症例に対するグループ討議や発表会の他、チーム医療に関する講演会や、実際の医療職者達が臨床のカンファレンスシーンを学生の前で再現する“模擬カンファレンス”などのプログラムも取り入れた。 アンケート調査・評価の結果、各学年とも概ね目的としていたコンピテンシーを獲得できていた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実施計画では、H29年度は2年次の学部混成の協同学習にTBLを導入し、多職種連携のコンピテンシー獲得について調査・評価することと、先行研究の収集と分析を行うことが主な内容であった(1年次へのTBLの導入とアンケート調査・評価はH28年度に終了し、4年次へのTBLの導入とアンケート調査・評価はH31年度に実施予定であった)。 H29年度は、予定通り2年次へのTBLの導入や多職種連携のコンピテンシーに関するアンケート調査・評価は特に大きな問題もなく実施することができ、さらに学部混成の協同学習を行っている他の学年(1年次、4年次)でも同様に実施することができた。また、2年連続して全学年でアンケートを実施できたことにより、学生が獲得したコンピテンシーの推移も調査することができた。 ただし、計画ではアンケート調査の分析に関して、テキストマイニングによる質的分析と統計ソフトによる多変量解析の両方を行うこととしていたが、前述の通り、2年次だけではなく3学年でアンケート調査を行い、推移などの検討も行っていたため、分析・解析を終了することはできていない。 H28年度の2年次へのTBLの導入とアンケート調査・評価の実施に関しては、H29年度に日本医学教育学会大会にて発表を行った。また、IPEの必要性やIPEで涵養すべき多職種連携のコンピテンシー、初年次から卒業年次にかけてのIPEの進め方等について、H28,H29年度のTBL実践をふまえて教科書執筆や実践報告を行った。
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今後の研究の推進方策 |
H29年度も、2年次に対してだけではなく本学で学部混成の協同学習を行っているすべての学年においてTBLの導入とアンケート調査・評価が実施できたため、次年度からもすべての学年でのTBLの実施とアンケート調査・評価を実施する。これにより、学生の経時的な変化が追えるだけでなく、当該年次の学生の結果を過去の学生におけるその年次の結果と比較することが可能となり、より多角的な分析を行うことができる。 また、TBLで扱う事例シナリオに関しては、次年度以降も引き続き多職種の教員(薬剤師、看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士などの専門職者)とさらに綿密な連携を取り、専門的立場からの意見を取り入れて作成する。これにより、より実際の医療現場に近く、またそれぞれの学年で獲得を目指しているコンピテンシーを意識した内容にできるものと考える。 さらに、シナリオの難易度やシナリオ提供のタイミング、フィードバックのタイミングなどに関しても、これまでの学生アンケートによる調査結果を踏まえ、より効果的なTBLが行えるよう検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
H29年度は、データ入力作業や資料整理のために補助員を雇用する予定であったが、研究者らが自らでこれらの作業を行ったため雇用していない。また、多職種連携に関する講師を本学へ招聘し、講演を行ってもらう予定であったが、学外で開催されている講演・研修等への参加を行ったため、本学への招聘はしていない。これらの理由により未使用額が生じた。 H30年度は、研究代表者・研究分担者の学会参加のための旅費・参加費、回収したアンケート用紙からパソコンソフトへのデータ入力作業や資料整理のための補助員の雇用(人件費)、多職種連携のコンピテンシーやIPEについての関連図書・文献の購入、文具の購入などに使用する予定である。また、テキストマイニング用ソフトによる分析に際してカテゴリ化したデータをさらに多変量解析によって解析するため、テキストマイニングの分析方法に関する研修会にも参加する予定である。 次年度使用額と30年度分として請求した助成金を合わせて、これらの費用を使用する予定である。
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