研究課題
モデル動物を作成し、HD羊膜の効果を検討した。1)HD羊膜の腱断裂修復モデルにおける癒着の抑制効果および安全性について検証した。家兎に趾屈筋腱修復処置を行い、①趾屈筋腱の腱縫合のみ(Positive Control:Pos Cont)、②腱縫合部の周囲にHD羊膜を巻いた群(羊膜処置群)、③無処置群(Negative Control:Neg Cont)、の3群を準備した。腱周囲組織の癒着の評価として引張り試験、癒着スコア評価、組織学的評価を用いた。関節の可動域:引張り試験:Pos ContよりHD羊膜処置群で張力が有意に減少、癒着スコア評価:Pos ContよりHD羊膜処置群で有意に癒着スコアが減少、組織学的評価:HD羊膜処置群で癒着の形成が少なく、異物反応も見られなかった。HD羊膜は安全で腱癒着防止膜として臨床への利用が可能であると考えられた。2)露出腸管を伴う開放創モデルにおける癒着の抑制効果および安全性について検証した。露出腸管が穿孔し慢性瘻孔(enteroatmospheric fistula (EAF))のモデルマウスの露出腸管上における肉芽成長促進効果を検証した。①HD羊膜を使用した場合、有意に露出腸管上に肉芽が成長した。このような治癒因子として、羊膜の scaffoldとしての機能が考えられる。HD羊膜は腸管露出を伴う開放創の被覆材として非常に有用であることが示された。
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