研究課題
①TNBC の術前化学療法として、乳癌において適応外医薬品であるCDDP を用いたTNBC の術前化学療法は当院倫理委員会承認を得て既に施行中であり、29年4 月末時点で33名の患者が登録された。「乳癌微小環境形成に関わる分子生物学的機序の生体試料を用いた探索研究」として薬物療法前後の血液や組織検体から種々のバイオマーカー探索も行っている。特にプラチナ製剤によって誘導されうる患者体内(血液および組織中)の様々な免疫学的バイオマーカー(患者由来の単核球を用いたNK 活性やサイトカインなど)を経時的にフォローし、薬剤のPharmacokinetics(特にタンパクと結合した長期残留プラチナ)との関連を探索している。今後、予後(無再発期間)や有害事象との関連も調査予定である。②TNBC において適応外医薬品であるCBDCA を用いた多施設共同医師主導治験(Japan Breast Cancer Research Group:JBCRG の20 数施設、症例数250、登録期間2年)は当初の予定から遅れはしたが29年3月より症例登録が開始された。③免疫チェックポイント阻害剤(国内適応外)と新規抗がん薬(国内外未承認)を併用する多施設共同医師主導治験(JBCRG の10 数施設、症例数40、登録期間2年)は契約の最終段階に来ており、30年より開始予定である。④上述のような複数の臨床研究において、治療効果予測マーカーとして、特に治療有効性が期待し難い患者を抽出する陰性的中率が高いバイオマーカーを腫瘍側因子(PD-L1 関連因子等)とホスト側因子の双方から探索している。ホスト側の因子としては、HLA タイプなど血液検査で簡便に判定できる自己免疫疾患と関連深いものやツベルクリン反応など評価手順が確率したT 細胞免疫の指標など将来の臨床実用化を考慮し検討する。
4: 遅れている
①TNBC において適応外医薬品であるCBDCA を用いた多施設共同医師主導治験(Japan Breast Cancer Research Group:JBCRG の20 数施設、症例数250、登録期間2年)の症例登録が当初の予定であった28年夏から大幅に遅れ29年3月より症例登録が開始された。②免疫チェックポイント阻害剤(国内適応外)と新規抗がん薬(国内外未承認薬)を併用する多施設共同医師主導治験(JBCRG の10 数施設、症例数40、登録期間2年)は、資金提供元である外資系製薬企業会計上の制限で、臨床試験グループとの契約に前例がなく困難な状況であったが、日本法人を通じての度重なる交渉の末、契約がまとまりつつある。③その他の、免疫チェックポイント阻害剤を用いた医師主導治験も、臨床試験グループと京都大学の契約が大幅に遅れ、未だ患者登録が開始できていない。
①TNBC において適応外医薬品であるCBDCA を用いた多施設共同医師主導治験(Japan Breast Cancer Research Group:JBCRG の20 数施設、症例数250、登録期間2年)に関して、今後全国における症例登録を促進され登録期間内の登録満了を」目指す。②免疫チェックポイント阻害剤(国内適応外)と新規抗がん薬(国内外未承認薬)を併用する多施設共同医師主導治験(JBCRG の10 数施設、症例数40、登録期間2年)については、契約がまとまり次第速やかに準備にとりかかり、30年度内の開始を目指す。③その他の、免疫チェックポイント阻害剤を用いた医師主導治験に関しては、臨床試験グループと京都大学の契約がまとまり次第速やかに症例登録を開始する。
医師主導治験の開始が遅れたために、患者登録を行うことができなかった。
28年度開始予定であった医師主導治験の症例登録の促進を図り、これらの患者から得られた検体を用いた探索研究を行うための資金とする。
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Cancer Science
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10.1111/cas.13221
CANCER BOARD of the BREAST
巻: 2 ページ: 117-120