研究課題/領域番号 |
16K08910
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
樋之津 史郎 札幌医科大学, 医学部, 教授 (80323567)
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研究分担者 |
狩野 光伸 岡山大学, ヘルスシステム統合科学研究科, 教授 (80447383)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | データベース研究 / 疫学研究 / レセプト |
研究実績の概要 |
1.データ管理システムの整備:大規模データを扱うデータ管理システムを、実績のあるフリーウエアであるMySQL8.0を用いて作成した。2018年に新しいバージョンがリリースされ、動作確認ができたため最新バージョンを用いた。コンピュータのOSはWindows10の64bit版をアップデートしながら使用している。4月より札幌医科大学に異動したため、基礎医学研究棟6階の604室にシステムを設置し、移送に伴う支障がないか動作確認して、問題が無いことを確認した。また、データハンドリングをMicrosoft Accessで行うため、64bit版のODBCをインストールし接続確認を行った。 2.レセプトデータベースを用いた臨床疫学的研究: JMDCと契約して取得した前立腺癌患者のレセプトデータベースを用いて、データ管理システムに得られたデータを取り込み、ハードディスク内に保存した。提供されたファイルごとに、「患者情報」、「レセプト情報」、「施設情報」、「医師情報」、「傷病情報」、「医薬品情報」および「診療行為情報」のテーブルを作成した。これらを用いて比較研究のためのデータセットを作成した。 3.病院の診療情報データを用いた解析結果との比較研究: 前立腺癌を対象とした既存情報のみを用いた観察研究を計画した。当初は岡山大学病院を受診した患者のデータを用いてレセプトデータベースとの比較を行う観察研究として研究計画書を作成していたが、研究代表者が岡山大学から札幌医科大学に異動したため、札幌医科大学用の研究計画書を作成中である。札幌医科大学においても前立腺癌治療を積極的に行っており、ダ・ビンチシステムを用いたロボット支援手術も岡山大学と同程度の症例数を見込むことができる。そのため、今後倫理委員会に研究計画書を提出し、観察研究を行い、その結果とレセプトデータベースとの比較を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
主任研究者が岡山大学から札幌医科大学に異動したため、それに伴いコンピュータの移送が必要となった。処理能力が高く、メインメモリ128GBのパーソナルコンピュータは企業の市販品ではオプション設定でも購入することができないため、平成29年度に購入したコンピュータを使用する必要があった。そこで、コンピュータシステムを岡山大学から札幌医科大学に移送し、基礎医学研究棟6階の604室(医療統計学教授室)に設置した。データ管理システムが問題なく作動し、レセプトデータの取り込みとデータハンドリングが可能であるかの確認作業を実施するために若干時間を要した。 また、電子カルテデータとの比較を行うために、病院の既存情報を用いた観察研究を実施する必要があり、当初岡山大学に提出する予定で準備していた研究計画書と倫理委員会への各種書類を札幌医科大学の書式に訂正するためにも時間が必要であった。 これらの理由で研究の進捗がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
札幌医科大学の泌尿器科を受診した前立腺がん患者を対象に既存情報(電子カルテデータ)のみを用いた観察研究の倫理申請を行い、承認後平成30年度に予定していた研究計画にしたがって観察研究を実施する。また、前立腺がん患者のレセプトデータをデータベース管理システムに取り込みずみであるので、観察研究の診療内容との比較検討を実施する。得られた結果に対して、分担研究者である狩野光伸先生と結果の妥当性を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
主任研究者が岡山大学から札幌医科大学に異動したため、病院の診療情報データを用いた解析の研究計画書提出先が岡山大学附属病院から札幌医科大学附属病院に変更する必要が生じた。そのため、レセプトデータベースを用いた臨床疫学的研究における比較検討事項を抽出する作業で用いる外部記憶媒体の購入数が少なくなり、執行額が減少した。また、病院の診療情報データを用いた解析結果発表や論文作成のための英文校正等を次年度に使用する必要が生じた。2019年度には全データを保管するためのバックアップファイルを保存する外部記録媒体も必要であり、次年度使用額で確実に執行する。
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