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2018 年度 実績報告書

ALDH2*2保持者においてケルセチンは硝酸薬投与後血管内皮機能障害を予防するか

研究課題

研究課題/領域番号 16K08911
研究機関九州大学

研究代表者

吉原 達也  九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (80419613)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード2型アルデヒド脱水素酵素 / ニトログリセリン / ケルセチン / 遺伝子多型 / 血管内皮機能障害 / 酸化ストレス
研究実績の概要

ニトログリセリン(GTN)は持続投与により血管内皮機能が低下する問題があり、酸化ストレス増加が原因の1つとされる。2型アルデヒド脱水素酵素(ALDH2)は抗酸化作用により心血管保護作用を有するとされるが、ALDH2活性はGlu504Lys (*2)多型により著しく低下する。以前我々は、ALDH2*2アレル保持者では野生型(*1/*1)保持者と比較してGTN持続投与後に血管内皮機能がより低下し、HMG-CoA還元酵素阻害薬との併用によりALDH2多型間で差を認めなくなることを報告した。しかし、スタチンの抗酸化作用によるのかどうかははっきりしなかった。ケルセチンはフラボノイドの一種で強い抗酸化作用を持つ。そこで本研究では、ケルセチンがGTN投与後の血管内皮機能へ及ぼす影響について調査した。
倫理委員会の承認と臨床試験登録(UMIN000033639)の上、文書同意を得た50名の日本人健康成人男性に事前検査を実施し、最終的にALDH2*1/*1:17名、*2/*2:7名に対して、クロスオーバー法にて、GTN経皮単独投与もしくはケルセチン1000mg/日併用投与を7日間行った。投与前後に血管内皮機能としてflow-mediated dilation(FMD)を、酸化ストレスとしてMDA-LDLを測定した。
投与前と比較してGTN単独投与後のFMD値の変化は、ALDH2*1/*1保持者と比較して*2/*2保持者では有意に低かった。一方、ケルセチン併用後のFMDの変化に*1/*1と*2/*2保持者間での差はなかった。MDA-LDL値は、GTN単独及びケルセチン併用投与後ともほとんど変化しなかった。
ALDH2*2/*2保持者ではGTN持続投与後の血管内皮機能がより低下することが再確認できた。ケルセチン併用はその低下を改善したが、そこには抗酸化作用以外のメカニズムも関与すると考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Influence of ALDH2 polymorphisms on the effect of co-administration of quercetin with nitroglycerin on endothelial function.2019

    • 著者名/発表者名
      吉原 達也
    • 学会等名
      第92回日本薬理学会年会

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公開日: 2019-12-27  

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