研究課題/領域番号 |
16K08915
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
木村 達郎 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (50382049)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 高齢者肺癌 / 副作用対策 |
研究実績の概要 |
大阪市立大学大学院医学研究科 呼吸器内科学の大学院生、病院講師、後期研究医に協力を得ながら、高齢者肺癌症例に対する治療前後包括的機能評価の検討においては、サーバコンピュータを導入、タブレット形式にて必要情報入力システムの構築を行っている。包括的高齢機能評価をFile Makerにて項目ごとに分割し入力できるように調整を行っている。サーバ構築が運用開始となれば、非小細胞肺癌、あるいは、小細胞肺癌であることが組織診、細胞診にて証明され、非小細胞肺癌症例ではEGFR遺伝子変異の有無が判明している70歳以上の患者の登録を開始していきたい。また、最近、免疫療法症例の増加が見込まれるため、その副作用の把握も行っていく予定である。その結果、各症例において、複数の薬剤の副作用予測ができるようになれば、安全な治療選択が可能となる。高額な免疫治療を選択しない場合も増加すると考える。 健常人との比較として、研究代表者の所属する大阪市立大学大学院医学研究科先端予防医療学での「MedCity21における検体管理・匿名化システムを含めたバイオバンク事業整備」から、肺癌患者の抜粋を行い、データベースに追加とした。今回、肺癌症例を抜粋したデータとしては、「胸部要精密検査判定の現況と呼び出しシステムの活用」人間ドック31:661-667、2017に報告した。これにより健常人のデータベースが構築されたため、既存症の把握が可能となった。年3000人のデータベースであり、患者背景をマッチングさせた検診者の検体をコントロールとして用いることが可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
サーバコンピュータを導入、タブレット形式にて必要情報入力システムの構築に予想以上の時間がかかっているため。
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今後の研究の推進方策 |
免疫療法においては、膠原病、間質性肺炎に加え、甲状腺、糖尿病、神経疾患の出現が予測される。治療前に副作用予測が可能となれば、投与症例の選別が可能となり、医療費の削減にもつながると考える。「MedCity21における検体管理・匿名化システムを含めたバイオバンク事業整備」にて包括同意を得た症例において、既往歴、現病歴にそのような疾患がある症例を抜粋し、PDL1関連遺伝子、血漿蛋白の測定ができれば、より万全な副作用の予測システムの構築が可能となる。
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次年度使用額が生じた理由 |
サーバコンピュータを導入、タブレット購入、ファイルメーカー購入のため、789,793円使用した。ファイルメーカーでのデータベースを解析するときには、Microsoft Office, 統計ソフトが必要となるため、今回生じた次年度使用額と次年度の助成金を合わせて、購入する予定である。
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次年度使用額の使用計画 |
データベース管理においては、Microsoft Office, 統計ソフト(JMP)Acrobatの購入、ファイルメーカーのメンテナンスに使用する予定である。また、検体取り扱いについては、DNA抽出費用、血漿蛋白保存費用、ELISAキット等を必要に応じて、適宜購入する予定である。
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